CPI VERIFICATIONは、紛争・災害時の行動や装備、街中での動きを、実際の環境で検証・実証するために部門です。
なぜ実証が必要か
1│机上の理論だけでは紛災に適応しないため
紛災時は、
- 交通網の破壊
- 情報断絶
- 群衆の不規則行動
- 行政の遅延
- 個人の恐怖対応
といった複数の”生活インフラの前提崩壊”が同時多発に起こる。
既存の防災・軍事理論は市民の生活行動そのものが変容する現象を捉えきれない。
実証部門はこれを補充し、生活行動を起点とした紛災時の行動科学知見を形成する。
2│誤った知識を社会に提供しないため
机上で成立しても、現場テストで破綻する理論は数多く存在する。
SOC実証部門の役割は、
「安全に関わる知識を提供する責任」を果たすことでもある。
3│CPIアカデミーの教育を”再現性のある知”にするため
教育内容は、必ず実証済みである必要がある。
未検証の指導は、市民の安全を損なう可能性があるためである。
4│国際基準の”民間防衛研究”を確立するため
紛災という複合領域の研究は、国際的にも未発達。
SOCは、日本発の民間防衛モデルを国際基準として提示する基礎となる。
だれがするか(Who Performs Verification)
SOC(Special Operation Contractor)は、
CPIアカデミーで基礎訓練を終了し、
研究・安全・実証手順を理解した
有資格者で構成される専門実証チームである
SOCメンバーの特徴
- 行動する知(3教義15理論)に精通
- 安全手順(E7/S10/C7)を厳格に運用
- フィールドワーク・行動観察・記録に習熟
- 都市環境・紛災環境のリスク構造に理解がある
- 実験の「再現性」と「客観性」を重視する姿勢を持つ
役割の行動
- Lead Verifiner(実証主任)
実験設計・リスク管理を統括。 - Field Operator(実地オペレーター)
動作・操縦・TDA 等の実験行動を担当。 - Observer(観察記録担当)
行動データ・映像・測定値の収集。 - Analyst(分析担当)
得られた行動データを研究部門へ接続する。
どのように実証するか(How We Verify)
実証部門は、必要に応じてシナリオ・環境・装備・人員を組み合わせ、 安全を確保した状態でフィールド実験を行います。
STEP 1|シナリオ設定
(Scenario Design)
- 停電・通信断・道路閉塞など不確実性の高い状況
- 群衆の混乱状況の想定
- バディ移動・単独移動の比較
- 紛災発生直後/継続期/回復期の段階別検証
STEP 2|実験環境
(Field Environment)
- 都市部路地・郊外・夜間環境
- 障害物配置(視界遮蔽・狭隘路・段差)
- 車両・バイク・徒歩の環境比較
- 暗所・逆光など模擬的な視覚ストレス
STEP 3|装備と動作の検証
(Action & Equipment Test)
- 模擬銃の操作性
- TDA基礎動作の再現
- ナビゲーション精度(地図・磁方位)
- 携行重量による移動効率低下
- 身体疲労の変化と判断力の相関
STEP 4|データ収集
(Observation & Measurement)
- 動作高速カメラ
- GPS・加速度センサー
- 心拍・視線追跡(可能な環境で)
- 行動記録・判定票(行動する知の判定基準)
STEP 5|分析・フィードバック
(Analysis & Feedback)
- 収集したデータを研究部門へ戻し、A = B = A の一致性を確認します。 一致しない場合は仮説を廃棄し、新しい行動モデルを再構築します。
SOC 実証部門の位置付け
SOC は、CPI モデルの中核機能である
- 研究を現場で裁定する部門
- 机上の理論を “行動知” へ変換する部門
- 教育内容の安全性と実効性を保証する部門
CPI の信頼性は、SOC の実証によって担保される。
