紛災時車両操作講習会。TVOCは、紛災(Conflict-Induced Disaster)や災害下の移動困難な環境で、
市民が安全に脱出・移動・運搬を行うための車両操作技術を学ぶ講習です。
市街地・砂地・悪路におけるライン形成、バディ搬送、車両安全管理、
そしてオフロードバイクの安全運転と簡易修理を中心に構成されています。

1:コース概要(Overview)
TVOCは、紛災時に想定される以下の移動課題に対応するための車両操作講習です。
- 道路の破損・瓦礫・渋滞による進路断絶
- 治安空白区域の通過
- 人を乗せての退避(バディ搬送)
- 車両の故障・タイヤトラブル
- 市街地から悪路への突然の環境変化
特に、機動力が高く燃費効率がよいオフロードバイクは、
世界中の紛争地・災害地で有効性が認められており、市民の自助能力に適しています。
TVOCは一般的な運転技能ではなく、
「紛災下でどう走るか」「どう状況から脱出するか」
を中心とした行動講習です。

2:なぜ車両操作教育が必要なのか(Context & Rationale)
日本では「道路は通れるもの」という前提で生活が成り立っています。
しかし紛災では、その前提は一瞬で崩壊します。
道路が機能しなくなる
- 落下物・火災・停電による信号機不作動
- 大規模渋滞・道路封鎖
- 瓦礫・冠水・土砂による走行不能
車両は「脱出・搬送・生活維持」の要
- 徒歩では不可能な距離の移動
- 負傷者や物資の輸送
- 安全圏までの確認走行
バイクは紛災時の最強クラスの機動力
- 狭所通過・抜け道探索に適した機動性
- 路面悪化への対応能力
- 低燃費による長距離移動
特にオフロード車両(デュアルパーパス系)は、
上記すべてで強みを発揮します。
しかし日本の一般運転教育は、
「危険な環境で安全に車両を扱う技能」を一切教えていません。
TVOCはこの欠落を補い、紛災時に行動不能に陥らないための移動能力を構築する講習です。
3:基礎教練(Fundamental Training)
基礎フェーズでは、車両操作の根本となる「安全管理」と「姿勢」を中心に学びます。
主な内容
- 車両の安全点検(タイヤ・チェーン・ブレーキ・電源)
- 低速域での安定操作
- 取り回し(押し歩き・Uターン)
- 急制動とリスク回避
- 車両ごとの特性理解(四輪・二輪/オン・オフ)
- 市民向けの安全走行基準
二輪(オフロードバイク)基礎
- スタンド操作、乗車・降車
- 姿勢(スタンディング・シッティング)
- 荷重の移し替え
- 低速バランス
- 曲がる際の視線と体の向き
基礎教練の目的は、
どのような環境でも「倒さない・ぶつけない・焦らない」操作基盤をつくることです。

4:応用フェーズ(Applied Operation)
実際の紛災環境を模した地形で、脱出・探索・搬送などの高度操作を学びます。
市街地での応用操作
- 緊急回避とライン取り
- 狭所・障害物の通過
- バディ搬送の動線確保
砂地・悪路での操作
- スリップ軽減の荷重操作
- 段差への進入角
- スタンディングによる衝撃吸収
紛災特有のシナリオ演習
- 倒壊建物周辺の迂回ルート探索
- 逃走ライン(Escape Route)の確保
- 動けなくなった車両の移動
- 危険区域の確認走行
二輪車両の簡易修理
- パンク応急
- レバー類の調整
- チェーンテンション
- 始動トラブル対応
- 積載の工夫(ロープ・ツールキットの使用)
このフェーズでは、
「走る技術」よりも「生きて帰るための判断技術」が中心になります。

5:受講条件・実施要項(Requirements)
対象・服装・車両
- 対象者:一般社会人(四輪・二輪不問。二輪は普通二輪免許以上推奨)
- 服装:動きやすい服装、ヘルメット・グローブ(貸出可)
- 使用車両:CPIが用意するオフロード車両(四輪・二輪)
講習形式
- 基礎フェーズ → 応用フェーズ(屋内/屋外)
安全規約・申し込み
- 安全規約:道路交通法・安全基準に準拠
- 申し込み方法:CPI Academyページから受付
本講習は競技走行を目的とせず、
市民向けの紛災移動技術の習得を目的とします。
6:指導協力団体(Partnership & Supervision)
TVOCは、オフロード技術・車両整備・緊急時の移動戦術に関する専門家の協力を受けて構成しています。
オフロード安全運転インストラクター
オフロード車両の安全走行、悪路走破、姿勢制御に関する技術監修を受けています。
車両整備アドバイザー
紛災時の簡易修理・応急整備に関する実務基準の提供を受けています。
協力団体が確定しましたら、正式名称・役割を反映して表記を更新します。

