身体操作講習会。TRFCは、紛災(Conflict-Induced Disaster)や都市型トラブルにおいて、
“走る・担ぐ・押す・飛び降りる・よける・持ち上げる” といった
生存に直結する身体操作を、安全かつ効率的に実行するための戦術的フィットネス講習です。
筋力の大小ではなく、「どのように身体を使うか」=身体操作の質に重点を置いています。
中心となる理論は、廣戸道場により体系化された 4スタンス理論で、
個人の身体タイプに応じた最適な動き方を習得します。

シューズとタオル、ノートなど戦術的フィットネスを連想させる静物
「筋トレ」ではなく、「生き抜くための身体操作」を設計する講習です。

1:コース概要(Overview)

TRFCは、紛災時に市民が瞬時に「身体を使える状態」をつくるための講習です。
一般的なトレーニングや筋力訓練とは異なり、
身体の使い方(Body Mechanics)の最適化に焦点を当てています。

扱う動作は以下の通りです。

  • 走る(Run)
  • 担ぐ(Carry)
  • 押す/引く(Push / Pull)
  • 飛び降りる・受け身(Drop / Land)
  • 方向転換(Pivot)
  • 障害物の乗り越え(Vault)

これらを 4スタンス理論に基づき、
自分の身体タイプに合った“効率の良い動き”として再構成します。

障害物を越えたり走ったりしているトレーニングのイメージ
「どう鍛えるか」ではなく、「どう動くか」にフォーカスします。

2:なぜ身体操作が必要なのか(Context & Rationale)

紛災時や都市型トラブルでは、
「普段の体力」ではなく「動ける身体操作」が必要になります。
以下の問題が顕在化します。

走れない・曲がれない・踏ん張れない

  • 日常生活で「急加速」「急停止」「方向転換」を行う機会が少ない
  • 危険回避時に身体が思うように反応しない

担ぐ・押す・引くには“技術”が必要

  • 単なる筋力ではなく、重心操作・軸・足裏の使い方が決定要因
  • 間違った身体操作は怪我とパフォーマンス低下を招く

身体タイプに合わない動きは「無理」を生む

  • 万人に同じ動きを教えても、タイプが違えば効果が出ない
  • 無理なフォームは疲労と故障のリスクを高める

TRFCは、これらの課題を“身体操作の科学”によって解消し、
市民の行動能力を最大限に引き出す講習です。

3:基礎教練(Fundamental Training)

基礎フェーズでは、身体操作の根本原理を学びます。

主な内容

  • 自分の4スタンスタイプ判定
  • 足裏(母趾球/小趾球)の使い方
  • 骨盤・背骨の向きと連動
  • 姿勢軸の作り方
  • 重心移動の基礎
  • “押す/引く/持ち上げる”の身体メカニクス

習得目的

「力みなく、自然に、無駄のない動きができる身体」を作ること。

筋力だけに頼らない、
自分の身体に合った動きを理解することが中心になります。

足裏の使い方や姿勢をチェックしているトレーニング風景
まずは「軸」と「足裏」の使い方から整えていきます。

4:応用フェーズ(Applied Movement)

応用フェーズでは、都市型トラブルや紛災を想定した実際の動作を行います。

走行・移動技術

  • 急加速・急停止
  • ジグザグ回避
  • 障害物回避動作

担ぐ・運ぶ(Carry)

  • バディ搬送(片担ぎ/二人担ぎ)
  • 重い荷物の効率的運搬
  • 子ども・高齢者の緊急移動

押す・引く(Push / Pull)

  • 車両押しの姿勢
  • 人混みでの安全な押し返し(非攻撃)

飛び降りる・着地(Drop / Landing)

  • 低所からの安全な着地
  • 膝・腰を守る衝撃吸収

都市型障害物への対応

  • 手すり・段差の越え方
  • 狭所での身体の抜き方
  • 滑りやすい地面での安定性

応用フェーズの目的は、
“危険を避け、守り、運び、逃げ続けるための動作”
を実践的に習得することです。

段差や障害物を越えながら移動しているトレーニングの様子
現実の環境に近い状況で、「使える身体操作」を仕上げていきます。

5:受講条件・実施要項(Requirements)

対象・持ち物・形式

  • 対象者:一般社会人(運動習慣の有無は不問)
  • 持ち物:動きやすい服装、タオル、飲料
  • 形式:基礎(室内) → 応用(屋内外)

安全規約・申し込み

  • 安全規約:身体負荷は個人差に合わせて調整
  • 申し込み:CPI Academyページより受付

TRFCは筋力勝負のトレーニングではなく、
「自分の身体を理解し、使いこなす」ための講習です。

6:指導協力団体(Partnership & Supervision)

TRFCは、身体操作・軸・重心の専門理論である 4スタンス理論 の創始団体である
廣戸道場の協力を受けています。

廣戸道場(4スタンス理論|Body Mechanics Advisor)

廣戸道場は、スポーツ・武術・医療分野で応用されている
4スタンス理論(Four Stance Theory)を体系化し、
個々の身体タイプに基づく最適な身体操作法を指導しています。

TRFCでは、廣戸道場の協力により、以下の要素をカリキュラムに反映しています。

  • 身体タイプ別の動きの癖
  • 力みを取る姿勢づくり
  • 力を効率よく伝える方法
  • 怪我を防ぐ身体操作
  • 市民向けの“機能的フィットネス”の再構成

これにより、誰でも無理なく動ける身体の使い方を習得できます。

4スタンス理論の指導を行う廣戸道場のイメージ
4スタンス理論にもとづき、「自分に合った動き」を設計します。