ドローン操作講習会。紛災(Conflict-Induced Disaster)や災害現場において、
「人が行けない場所を安全に確認する」ための無人航空機(ドローン)運用技術を学ぶ講習です。
索敵・危険エリアの俯瞰・状況把握・簡易マッピングなど、
市民が現場の安全を確保するための“非接触の情報収集能力”を中心に習得します。

1:コース概要(Overview)
TDOCは、紛災や大規模災害の現場で求められる
ドローンによる安全確認・索敵・状況分析を中心にした操作講習です。
目的は、特定の機体を操縦することではなく、
「人が危険区域に入らなくても、必要な情報を確保できる状態をつくる」ことにあります。
ドローンは、近年の災害支援・捜索・警備・国際紛争において不可欠なツールとなっており、
市民による適正操作は、地域安全においても大きな役割を果たします。

2:なぜドローン教育が必要なのか(Context & Rationale)
日本社会では、災害時の「現場不明」が人的被害を拡大させる大きな要因となっています。
紛災ではそれに加えて、以下の問題が顕在化します。
人が入れば危険が倍増する領域
- 崩落の可能性が高いエリア
- 有毒ガス・火災の恐れがある場所
- 侵入者・敵対者が潜む危険地帯
俯瞰情報がないことによる判断ミス
- 迂回ルートの有無を把握できない
- 建物・地形を利用した防衛判断ができない
- 群衆の動きや危険源を視覚化できない
“初動索敵ツール”としてのドローン
- 海外では災害・紛争初動で「まずドローンを飛ばす」が標準化
- 日本では扱い方・見るべきポイント・法的限界が共有されていない
- 市民教育がほぼ存在せず、大きなギャップになっている
TDOCはこのギャップを埋め、
安全・合法・効果的な情報収集能力を市民レベルに提供する講習です。
3:基礎教練(Fundamental Training)
TDOCの基礎フェーズでは、ドローン操作と情報取得の根本的な技術を学びます。
主な内容
- ドローンの基本構造と安全運用
- ホバリング、離着陸、方向調整
- 目視内飛行と高度管理
- テレメトリ(バッテリー・高度・GPS)の読み方
- 映像の確認方法と「見るべきポイント」
- 航空法・小型無人機等飛行禁止法などの法的基礎
基礎教練の目的は、
「機体を安定させ、安全に飛行させられる状態」を確立することです。

4:応用フェーズ(Applied Operations)
応用段階では、紛災・災害・治安空白に特有のシナリオを扱います。
主な内容
- 危険区域の俯瞰(崩落・火災・侵入者)
- 失踪者・遭難者の空中捜索
- 簡易マッピング(地形・障害物・避難動線)
- ルート選定の可視化(安全導線の確保)
- 夜間・逆光・狭所など視認性の悪い環境への対応
- チーム運用(操縦者/観測者の役割分担)
このフェーズでは、「飛ばす」ことよりも、
「何をどう見るか」「どう判断につなげるか」が中心となります。
5:受講条件・実施要項(Requirements)
対象・服装・機材
- 対象者:一般社会人(未経験者歓迎)
- 服装:屋外活動が可能な服装
- 使用機材:CPIが準備する市民向けドローン
講習形式
- 屋内ミニ操作
- 屋外演習
- シナリオ実習
法令遵守・申し込み
- 法令遵守:航空法・無人機飛行禁止法に準拠
- 申し込み方法:CPI Academyページより受付
本講習は資格取得を目的としませんが、
合法運用と安全性を第一にした実践的な操作技術を習得します。
6:指導協力団体(Partnership & Supervision)
TDOCは、無人航空機の安全運用指針および、
災害・捜索分野での実務経験を持つ専門家の協力を受けて構成されています。
無人航空機運用の専門家・災害支援チーム(仮)
紛災・災害現場のドローン運用経験を持つ技術者の協力により、
安全な飛行訓練、索敵手法、法令遵守のガイドラインを整備しています。
実在の協力団体が決まり次第、正式名称・ロゴ等を用いて表記を更新します。

