紛災時ストレス管理講習会。TSMCは、紛災(Conflict-Induced Disaster)において発生する
極度のストレス、視野狭窄、判断遅延、身体硬直をコントロールし、
市民が「行動不能」に陥らないための技術を学ぶ講習です。
呼吸法、視覚認識の再調整、身体反応の制御、バディ誘導による回復など、
科学的根拠にもとづく方法を市民向けに体系化しています。

1:コース概要(Overview)
TSMCは、紛災時に最も起こりやすい心理・生理反応を理解し、
恐怖・焦り・過負荷に飲み込まれず、行動を継続するためのストレス管理技術を学ぶ講習です。
扱う中心テーマは以下の通りです。
- 視野狭窄の防止と解除
- 判断遅延の抑制
- 身体硬直(フリーズ反応)の回復
- 呼吸による自律神経の安定化
- バディによるストレス誘導と回復
「勇気」ではなく、“科学的な回復技術”を用いて、
行動可能性を守ることを目的としています。

2:なぜストレス管理が必要なのか(Context & Rationale)
紛災時に最も多い行動不能の原因は、外傷よりもむしろ
精神的ストレスによる機能停止です。
視野狭窄(Tunnel Vision)
- 急な危険で視界が極端に狭くなる
- 周囲の危険や仲間の位置を見失う
判断遅延(Cognitive Lag)
- 「何をすべきか」が頭に浮かばない
- 普段できることができなくなる
身体硬直(Freeze)
- 体が動かなくなる
- 呼吸が浅くなる・声が出ない
さらに紛災は、災害と違い、
敵意の存在・予測不能な変化・断続的な危険などが伴い、
「長時間ストレス」が継続して心身を消耗させます。
結論:技術があっても、ストレスで“使えなくなる”。
TSMCは、ストレスに飲み込まれず、行動を維持するための技術を市民に提供する講習です。
3:基礎教練(Fundamental Training)
まずは身体と認知の「初期反応」を制御する技術を習得します。
主な内容
- 生理反応(心拍・筋緊張)の理解
- 自律神経を整える呼吸法(Box Breathing 等)
- 視覚認識の再調整(ワイドビュー法)
- 手足の末梢リリース(硬直解除)
- 内部独白(セルフトーク)の整理
- 「今ここ」に集中するアンカー技術
目的
“パニックの入口”を素早く閉じる操作を身につけること。
感情ではなく、技術でストレスを制御できる状態をつくります。

4:応用フェーズ(Applied Stress Control)
紛災現場を模した環境で、ストレス管理の実戦的手法を学びます。
ストレス環境での行動訓練
- 大音量・暗所・不安定環境での判断
- 多重タスク下での平常心維持
- 即断即決が必要な場面での認知整理
バディ誘導(Buddy Stress Intervention)
- パニック状態の味方の回復補助
- 声かけ・触覚誘導・視覚誘導の技法
- 状況理解の再構築(Reorientation)
行動硬直の解除
- フリーズを見抜く
- 身体反応を解除するステップ
- 行動再開の導線作り
紛災特有のシナリオ演習
- 群衆混乱時の冷静化
- 危険区域での判断維持
- 敵意存在下での精神安定
応用フェーズの目的は、
「混乱しても、行動を止めない」ための実戦力をつくることです。

5:受講条件・実施要項(Requirements)
対象・持ち物・形式
- 対象者:一般社会人(経験不問)
- 持ち物:動きやすい服装、飲料
- 講習形式:室内訓練 → 環境再現訓練 → バディ誘導
安全規約・申し込み
- 安全規約:身体・心理への過負荷を避け、段階的に実施
- 申し込み:CPI Academyページより受付
TSMCはメンタルトレーニングではなく、
“行動を守るためのストレス管理技術”
を目的とした講習です。
6:指導協力団体(Partnership & Supervision)
TSMCは、心理学・精神医学の専門家の協力を受け、
安全性と科学的根拠にもとづいて構成されています。
心療内科医師(Clinical Stress Management Advisor)
ストレス反応・不安症状・急性ストレス障害(ASD)などに関する
医療的知見を持つ心療内科医師の技術協力を受けています。
専門家の監修により、
- ストレス反応の医学的理解
- 呼吸・認知・身体反応の関係性
- 過負荷がかかる状況での安全基準
- パニック・フリーズ反応の科学的解説
- 市民向けに安全な範囲で行う実践法
が体系化されており、TSMCは
心理的安全性の確保と、行動継続能力の向上
を両立した講習として成立しています。

